バイトダンス、60億元でAI国際病院を建設──北京で着工、2029年末に開業予定

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/P_rJq40wuzzW66iSWgvCpg

概要ポイント
  • 病床800床・22.4万㎡規模の大型医療施設が北京で着工。
  • AI、国際基準、研究転化を柱にした未来型病院。
  • amcare(美中宜和)の完全買収を機にオフライン医療参入を本格化。
  • 創業者の張一鳴(Zhang Yiming)も個人で生命科学分野へ積極投資。
  • 医院とファンドの二軸で医療ヘルスケア事業を展開中。
本文

バイトダンス(ByteDance)が手がける新たな医療プロジェクト「北京愛瑞国際医療総合体」が、北京市中関村(朝陽)のデジタル医療産業園にて正式に着工した。総投資額は60億元(約1300億円)、用地面積11.37ヘクタール、延床面積22.4万平方メートルで、病床数は800床を予定。建設は国際的な三級総合病院(中国の病院評価制度における最高ランクの総合病院)の基準に基づき進められ、AI技術の全面導入、国際標準の医療体制、研究成果の臨床転用という三本柱が掲げられている。開業は2029年末を予定。


この病院計画は、2025年初頭に北京市衛生健康委員会から中外合資・営利型の三級総合病院として承認を受けており、バイトダンスが中関村朝陽園北区の医療用地にて主導している。プロジェクトの背後には、2021年から同社が取り組んできた医療分野への進出がある。バイトダンスは2021年9月、子会社「Xiaohe Health(小荷健康)」を通じて高級婦人科・小児科で知られるamcare(美中宜和)への資本参加を開始し、2022年には完全子会社化。この買収により、同社はオフライン医療サービスへの本格参入を果たした。


さらに創業者の張一鳴(Zhang Yiming)は、2024年に個人名義で設立した「Cool River Venture」ファンドを通じて、細胞治療やバイオ計算など次世代医療技術への投資を推進。企業としての病院運営と、個人としての先端医療投資という二面戦略により、バイトダンスは長期的な生命科学事業の基盤を着実に築いている。